挨拶
会長
鎌田貢壽
相模大野内科・腎クリニック 院長
2011 年3 月11 日に発生した東日本大震災は、被災地域での透析医療の継続を困難にしました。このような災害が近い将来に相模原市で起きる可能性は大きいと考えられます。突然にこのような災害が起きた場合には1 透析施設で問題を解決することは困難で、行政の支援のもとで地域全体が協力する必要があります。災害時の透析医療の継続には、被災情報の共有から始まり、電気、水、透析機材の確保、透析室の復旧、透析スタッフの確保、患者の把握と移送、透析の実施など、少し考えても多くの課題があがります。相模原市透析災害対策協議会は、これらの課題を解決する話し合いの場としてスタートし、この話し合いの中から具体的な対応策が生まれて、相模原市内の全透析施設を対象とした災害対策の具体化がゴールと考えております。市内の全透析施設からのご参加をお願い申し上げます。
副会長
竹内康雄
北里大学 腎臓内科 主任教授
日本は地質学の特性上、数十年に一度、巨大地震が必ずくることは歴史も証明しています。東海、駿河湾~東京、千葉にかけて予想される巨大地震は、今回の会議体に出席される皆様が近いうちに遭遇するような可能性も言われています。その際にはご自身の医療施設、あるいは周囲の施設も相当な被害(全く透析不能、職員も来れない!)を受けることを想定し、お互いに協力できる体制づくりをしておくことが不可欠です。本会議は皆様が顔を寄せ合い、協力体制を構築する最適の機会です。誰かが体制を作ってくれるだろう、ではなくお互いに意見を交わしていざという時に備えて頂ければ、と思います。北里大学病院は災害拠点病院であり、急性重症外傷の方が多く搬送される(おそらく遠方からも)可能性が高いため地域の維持透析患者様の透析診療には十分に寄与できないと考えています。 今、新型コロナウイルス感染関連診療に日夜心をくだいている中でさらに災害対策のことまで、と思われるかもしれませんが手遅れにならないよう、地域連携体制で皆様方の積極的なご参加をお願い申し上げます。
顧問
櫻井健治
橋本クリニック 院長
私が透析医療に携わって50 年の歳月が流れました。1980 年代に、当時市の保健所の要職であった河西悦子先生に呼ばれて透析医療の災害時の対処方法について述べたことがあります。また、この頃に透析クリニックの先生方4 名が集まって災害時の協力方法について話し合いました。2011 年3 月の東日本大震災後の翌年、鎌田先生と市役所で講演をさせて頂きましたが、災害対策時の方法論は具体化せずに来ました。今回、諸先生方、臨床工学技士の皆様方、市の担当職員の方々のご尽力で透析災害対策協議会が発足することになり安堵しております。